素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 40

僕は思い出を失くしてしまうんだろうか?自分が何者かも忘れてしまうんだろうか?シートにうずくまりながら考える。心が死んだら、考える事もできなくなるんだろうか?

ただの八つ当たりだな、とタクシー運転手は言った。

「 あんたの心を殺そうとしてる男は、ただの八つ当たりをしてるだけだよ。その男は、恐らく自分自身の心を殺してる。時が止まったままなんだ。あんたは違うだろ?何も怖がる事はないよ 」