素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 39

車内はチェット・ベイカーが流れていた。

曲のタイトルが思い出せない。

「 心が死にかけてるからだよ 」とタクシー運転手は言った。

思い出を失くしてしまうんだ。それが心が死ぬって事だよ。

僕は上手く返事が出来ない。

「 エレベーターまで送るよ、あんたは心を温めないとな 」