素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小説『 強面ライセンス 』6

「 あなた、バンドやってるでしょ? 」と女。えぇ、やってますけど、と高田。「 左手の指をみればわかるわ、私ある有名バンドのマネージャーをしているの。このカードで会計してくれるならメジャーデビュー考えてもいいわ 」と女。「 どのバンドですか? 」…

小説『 強面ライセンス 』5

ボクは本部に警告サインを送る。< 女がレジで従業員を脅している。支払う金を持たず、見たこともないカードを見せて洗脳しようとしている。酒( ジャック・ダニエル )で従業員の頭をかち割ると発言。商品のストッキングで首を絞める可能性あり >すぐさまに…

小説『 強面ライセンス 』4

夜中の2時50分。ベージュのスプリングコートを着た、髪の長い女が店に入ってくる。ヒールの高い靴をコツコツと音を立て酒コーナーの前で止まる。ジャック・ダニエルを左手でとり、次はストッキング3足を右手にとるが女の表情が崩れ、深くため息をついた…

小説『 強面ライセンス 』3

彼らが店を出た後、男女のカップルが手を繋ぎ笑いながら店に入ってくる。 ボクは安心する。この男女のカップルはどう見ても『 強面の人間 』ではない。だがその考えは3分もしないうちに覆されてしまう。男は店内に置いてあるコンドームを両手で抱えて高田の…

小説『 強面ライセンス 』2

夜中の1時半。二人組の男が店内に入ってくる。全身黒ずくめでごつい身体をしている。背丈も顔も瓜二つ。兄弟だと言ってもおかしくない。タイヤメーカーのマスコットキャラクター、ミシュランマンによく似ている。黒のミシュランマン。勿論、彼らは『 強面の…