素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 28

「 今、327に向かっている 」ソニー・ロリンズはエレベーターの数字を指して言った。

「 そこがニューヨークに繋がっているんだ。ひょっとしたら、そこで何か手がかりがあるかも知れない 」

本当にどこでもドアみたいだな、と僕は呟く。

ドアが開き目の前には橋が広がる。

誰かが『 GOD BLESS THE CHILD 』を吹いている。

恐らくここがウィリアムズバーグ・ブリッジだろう。

この曲はとても好きなんだとソニー・ロリンズは目を細めて言った。