2015-04-14 小説 あなたと夜と音楽と 28 「 今、327に向かっている 」ソニー・ロリンズはエレベーターの数字を指して言った。 「 そこがニューヨークに繋がっているんだ。ひょっとしたら、そこで何か手がかりがあるかも知れない 」 本当にどこでもドアみたいだな、と僕は呟く。 ドアが開き目の前には橋が広がる。 誰かが『 GOD BLESS THE CHILD 』を吹いている。 恐らくここがウィリアムズバーグ・ブリッジだろう。 この曲はとても好きなんだとソニー・ロリンズは目を細めて言った。