素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 18

私はどうしたらいいんだろう?とジェリー・マリガンに尋ねる。

彼は首を横に振り答える。

「 キミは無意識の内に、奥さんとの思い出を辿ってる、辿ろうとしてる。それは分かるかい? 」

はい、そうだと思います、と私は言う。

「 少しずつ紐解いてくしかないんだよ 」

「 キミは多くの人を巻き込んでる。彼等は誰かの親であり、子どもであり、恋人なんだ。その人達の心も殺してる事になる。彼等の為に出来る事は、もう一つしかない 」とジェリー・マリガンは言った。

「 小説を書き続ける事だよ。一日も休んではいけない。毎日、書くんだ 」