私はどうしたらいいんだろう?とジェリー・マリガンに尋ねる。
彼は首を横に振り答える。
「 キミは無意識の内に、奥さんとの思い出を辿ってる、辿ろうとしてる。それは分かるかい? 」
はい、そうだと思います、と私は言う。
「 少しずつ紐解いてくしかないんだよ 」
「 キミは多くの人を巻き込んでる。彼等は誰かの親であり、子どもであり、恋人なんだ。その人達の心も殺してる事になる。彼等の為に出来る事は、もう一つしかない 」とジェリー・マリガンは言った。
「 小説を書き続ける事だよ。一日も休んではいけない。毎日、書くんだ 」