素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 17

彼は私のイメージ通りだった。

ブルーの瞳と金髪のクルーカット。そして巨大なバリトン・サックスを抱えていた。

音楽でしか触れた事がなかった1960年代が、カリフォルニアが彼一人から溢れていた。

「 残念だけど、もう戻れないんだ 」とジェリー・マリガンは言う。

「 キミはボクのイメージを抱いたまま生きてる。それが悪いと言ってる訳じゃない。ただ過去に生きる事は出来ないんだよ。今は1960年代じゃないし、キミの奥さんも、もういないんだ 」