2015-04-16 小説 あなたと夜と音楽と 30 二人で歩いてると日本人のカップルとすれ違う。 ソニー・ロリンズは立ち止まり振り返る。 彼等だよとソニー・ロリンズは言った。 キミが探して男だよと。 僕は彼等の後を追いかける。 彼等は幸せそうだった。 表情こそ観えないが、身振り手振りを大袈裟に振りまいた男の姿に、女が男の背中を叩いてる。 この街は彼等の為に存在して、僕はただのオプションとして存在してる。後ろをつけてる自分が恥ずかしい思えた。