小説 夜のニワトリ 15
「 その情報を流したのは、俺だよ 」とシルクは言う。
訳が分からなかった。
これじゃ、まるで博士に試させられている気分だ。
そう思った時、僕はピンときた。
博士は、僕らを、確かに試している。
「 それに俺は、シルクじゃない。本名は、ムッシュだ 」とシルクorムッシュは言う。
「 どっちもどっちね 」と博士の娘は言う。
同感だった。
やはり、博士の娘とは気が合う。
「 博士は、僕らを試している。恐らく、人間とロボットが共存出来るかを、僕や博士の娘やシルクorムッシュ、そして僕と関わってきた人達も、博士が手配してたに違いない。そうですよね? 」と僕は言う。
本気で怒鳴りたい気分だった。
博士ロボは深く頷く。
「 その通りだよ 」と博士ロボは言う。
「 何で、こんな事をしたんですか? 」と僕は言う。
「 人間には、心があるからだよ。心は、喜びも、哀しみも、憎しみも、人間に、雨の様に降らしてくれる 」