小説『 愛を知っているならパスタで踊れ 』12
次はカルボナーラを作ってみましょう!と僕は言った。小声で言ったつもりが彼女に聞こえたみたいで怪訝そうな顔をしていた。僕はそんな彼女の気持ちを遮る様に、U2のベストアルバムから『 スウィーテストシング 』をかけた。
My love, she throws me like a rubber ball
(Oh, the sweetest thing.)
But she won't catch me or break my fall
Oh, the sweetest thing.)
Baby's got blue skies up ahead
But in this, I'm a raincloud
You know she wants a dry kind of love
I'm losin' you, I'm losin' you
Ain't love the sweetest thing?
僕の愛 彼女は僕をまるでゴムのボールみたいに投げる
でも彼女はキャッチもせず 僕をほったらかしにする
君の目の前には青空が広がっているけど
僕はそんな空の雨雲だ
彼女は冷えた愛を望んでいるみたいなんだ
君を失っている 君を失ったままなんだ
愛っていうのは一番素敵なものじゃないのかい?
僕は歌に合わせて口笛を吹いた。テレビはこんなシーン使ってくれないだろうな、と思った。