小説 aim 30 ー常盤
「 急で悪いんだけどさ、今日1日配達ルート交代してくれない? 」と八田は言った。
「 別に良いけど、何かあるの? 」
「 常盤のルートで、新しく出来たケーキ屋があるだろ?嫁がそこのケーキ食べたいって 」
苦笑いしながら、いいよと常盤は言った。
俺もケーキの一つや二つ、お土産を持って家に帰っていたら、今とは違う結果になっていたかなと缶コーヒーを飲みながら、ぼんやりと考えた。
日も暮れた頃、休憩がてら常盤はコンビニに寄った。
雑誌を軽く立ち読みし、トイレを借りて、今日2本目の缶コーヒーを買った。