小説 aim 4 ー長尾
3年前、長尾は、ある組織に雇われ殺し屋をしていた。
その時は《 櫻井 》と名乗っていた。
何度以来されて、何人殺したかは覚えていない。
殺したい人間と、殺された人間。
そちらのどちらも長尾は見てきた。
どれだけ手を洗っても、どれだけ耳を塞いでも、殺した人間の血の匂いや叫び声は、途切れなかった。
そんなある日、組織から政治家の息子を殺す依頼を受けた。
長尾は断った。
その息子が小学校時代の友人だった。
小学校時代、長尾は同級生から苛められていた。
政治家の息子は、その度に、長尾をかばってくれていた。
しかし、組織の依頼は絶対だった。
断った長尾は、今度は組織から命を狙われる様になった。