素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説『 愛を知っているならパスタで踊れ 』14

僕は便器にバジルパスタを吐き、イカスミパスタを吐き、そしてミートソースを吐いた。その間何度も水を流した。その内に何も吐くものがなくなって胃液だけが出てきた。しばらく壁にもたれかかった後、手で口を拭いトイレのドアを開けた。部屋の中は真っ暗になっていた。外に出るまでは電気をつけていた。おかしいことに作ったパスタの匂いが全くしなかった。代わりにカビ臭い匂いが部屋の中を漂っていた。