素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説『 二十肩 』9

「 説明は終わりました。ノグチさん、タケマルさん、入ってきて下さい 」と整体師は言った。

ドアを開けて二人組が入ってきた。ミシュランマンがこんがり日焼けしたみたいな二人だった。どちらがノグチさんでタケマルさんなのか見分けがつかず、双子だと言われてもおかしくないくらい二人は似ていた。そして整体師と同じ色の制服を着ていた。

「 あんた、二十肩だってね? 」とミシュランマン1号が言った。

「 それを見逃すわけにはいかないんだよ、悪いけど 」とミシュランマン2号が言った。

「 先ほども言ったように、穏やかな心でいられるのは手放すことが必要なんです 」と整体師は言った。

「 何を手放せばいいんですか? 」

「 あなたの身体です 」と整体師は言った。もう笑っていなかった。