素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 aim 82 ー千春

佐川急便の男は、誰かと電話をしている。

騙されているとも知らずに可哀想。

騙し方は違うとしても、騙された男は、みんな同じ顔をするのね、と千春は想う。

やがて佐川急便の客は店から出ていく。

私は、彼の後を追う。

「 私の父親は、長尾隆史です 」と千春は言う。

「 え? 」と佐川急便の客は言う。

約束は、きっちり守ってもらうからね、信晴さんと、心の中で千春は想った。