小説 aim 41 ー長尾
「 彼女が騙した相手が少々マズイ人だったんです。だから、僕らが助けたんです。バイトを許可したのは、金を稼ぐ大変さを知ってもらいたかったからです。そしたら、あなたの事も今以上に尊敬するかも知れません 」と僕は言う。
これ以上、踏み込んで詮索するのは止めよう、長尾は想った。
せっかく手にした生活を自ら壊す事はない。
このまま流れに身をまかせればいい。
本当の家族なら、妻と千春に何かマシな言葉をかけてあげれるだろうか?
どれだけ探しても、その言葉は見当たらなかった。