小説 aim 37 ー長尾
「 そうそう、封筒の中身はチョコレート工場に入れるチケットかもしれない 」
「 はぁ 」と部下は苦笑いをしている。
こんな事言われるぐらいなら、課長に相談しなければ良かった、と思ってるかも知れない。
帰り道、それぞれの家にクリスマスのイルミネーションが彩られている。長尾は、家族を持つまでは、クリスマスにも、イルミネーションにも興味が無かった。
窓明りが「 おかえり 」と言っている様に観れる。「 ただいま 」と言える場所があるのが、これ程嬉しいものとは知らなかった。