2015-07-14 小説 aim 24 ー那須 「 橋は1人では造れない 」と那須は言う。 「 橋を造る前に、地形や地質、潮流を調べる。何人もの人が協力し合い施工に入る。完成するまでに、何十年もかかる橋もある 」 信晴は、温かいコーヒーを飲みながら頷く。 那須は、外を観て目を細める。 両手を組み言葉を選んでいる。 信晴は、那須の皺だらけの手を観て、ほんの少しだけ寂しい気持ちになる。 「 人生は、橋と似ている 」と那須は言う。