2015-06-11 小説 番人 16 小径沿いにある西嶋の家に着いたは午後4時を過ぎていた。 広い庭を抜け玄関のインターホンを鳴らした。 向日葵は相変わらず、太陽に向かって真っ直ぐ咲いていた。 蝉の鳴き声は僕の訪問と同時に止み、その静けさが僕を苛立ちさせた。 返答の沈黙を埋める為に滅多にしない口笛を吹いた。 3回のチャイムを鳴らしたが返答がなかった。 西嶋が乗っている黄色のフォルクスワーゲンも駐車場に停めてあった。 僕は裏庭に行き、西嶋の名前を呼んでみたがやはり返答はない。