2015-06-01 小説 番人 6 西嶋の家にこうして毎月通っていると、ここ熊本に愛着の様なものを僕は感じる様になっていた。 山々はどれも美しく、湧き水は冷たくて美味しかった。 僕は電車だけではなく、福岡からレンタカーを借り、ドライブしながら街並みの季節毎に変わっていく風景を楽しむ様になっていた。 連休がとれれば旅館に泊まり温泉巡りをした。 少し前の僕には考えられない事だった。 その変化は心地良く、まるで生まれ変わった気分だった。