小説 あなたと夜と音楽と 54
「 いずれにせよ、いつか、あなたは彼女を失ってしまう。私が妻を失ってしまった様に。必ず失う 」と私は言った。
「 僕は、あなたの書いた小説が好きです。ジャズミュージシャンが出てくるのも好きです。今でも、あなたが送ってくれた小説が家にあります。ひょっとしたら、本棚の中で埋もれて、あなたが書いた小説の事を忘れてしまうかも知れない。でも、何かのきっかけで、小説を読み返す日が来て、僕は思い出すんです。あなたの書いた小説で、僕の心が震えて心が温かくなっていた事を 」と僕は言った。