素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 夜のニワトリ 10

「 そもそも、そのリトルラジオの意味が分からないんです。僕に埋め込められている事は知っているんですけど 」

「 あなたが知らないのに、私が知る訳ないじゃない?知らない物をどうやって守るって言うのよ 」

この意見にも同感だった。

博士の娘とは気が合う。

「 博士は、それは生きる為に必要なものばい、と言っていました 」

「 余計は分からくなるわ。だって私は全部必要だもの 」

人間に必要なもの。

ロボットに必要なもの。

共存していくには、大きな違いがあるような気がする。

「 彼らの狙いは解りました。ただ彼らは、どんな組織なんだろう? 」

「 アップルよ 」と博士の娘は言う。

「 え? 」僕は間抜けな返事をする。

「 アップルが、あなたのリトルラジオを狙ってるの。そしてこの世界を支配しようとしている 」

馬鹿げている、と僕は言う。

「 嘘じゃないわ 」と博士の娘は言う。

「 アップルがそんな事する訳がない 」

「 アップルだから、可能なのよ 」

僕は首を横に振る。

何かの間違いじゃないだろうか?

スティーブ・ジョブズは、もういないのよ 」