素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説『 コロニー 』5

「 軽蔑したでしょ? 」と涙目でマユミは言う。コウタは首を横に振り「 ありがとう。正直に話をしてくれて。君だって思い出したくなかったことだろうし、それを僕に話してくれた勇気の方が凄い 」と言う。「 法律と神様を無視したのに? 」「 その時はそれでいいと思ったんだよね?荒野の七人だって君に味方してくれる。勿論、これからも僕は君の味方だよ 」とコウタは言う。「 信じられない 」とマユミは言う。「 僕が言ってることが? 」とコウタは言う。「 ううん。私はそれでも地上の世界に戻りたいと思ってることが。今のまま、このまま平和に毎日を過ごせれば、どれだけ幸せだろうと思うの。だけど地上の記憶を思い出した今、子ども達の元に戻らないといけないの。誰もあの子達を守れない 」とマユミは言う。「 コロニーから出るには、全員の記憶を思い出させる必要がある。君のように強い人は、なんとか持ち堪えられてるけど全員が全員そうではない。傷つけ合ったり罵りあったり、ひょっとしたら誰かが死ぬかもしれない。コロニーは1人でも欠けてしまったら、ここではもう誰も暮らすことができなくなってしまう。全ては無になってしまう 」とコウタは言う。「 大丈夫よ。あなたは私の味方だし、ガンマンだって側にいてくれる 」とマユミは言う。