素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説『 愛を知っているならパスタで踊れ 』13

カルボナーラを作ってる最中にインターホンが鳴った。僕は彼女に出てくれないかな?と頼んだけど、彼女はソファの上で脚を組み直すだけだった。インターホンは8回なった。そこにいる事は分かっているとでも言いそうな押し方だった。10回目がなった時、僕は諦めてドアを開けた。しかし誰もいなかった。すっかり外は暗くなっていてマンションの蛍光灯がチカチカ点滅していた。何匹かの虫が羽音を鳴らし蛍光灯の周りをグルグル回っていた。向こう側のマンションの蛍光灯もチカチカ点滅していた。一体世の中の管理人は何をしているんだろう。

部屋から電話がなっていた。iPhoneに電話の機能があった事を久しぶりに思い出した。僕は滅多に電話をかけないしかかってくる相手もいなかった。ドアを閉めて部屋に戻ると急に吐き気に襲われた。たまらずトイレに駆け込んだ。