小説『 愛を知っているならパスタで踊れ 』2
手始めにミートソースを作ってみることにした。
玉ねぎと人参とセロリとニンニクをみじん切りにして、オリーブオイルをひきフライパンで炒める。ニンニクの匂いがあっという間に狭い部屋の中に広がる。ひき肉を炒めホールトマトを入れる。
「 ねぇ、BGMはないの? 」と彼女は言った。
「 BGM? 」
「 あなたがパスタを作ってる間、私はヒマなの?分かる? 」
「 分かるけど、部屋にあるレコードやらCDを適当にかけていいよ 」と僕は言った。僕はこれから長時間パスタを作り続けなければならないし、BGMなんか選んでる余裕など全くなかった。