素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説『 二十肩 』8

「 あなたが傷つけてきた相手は、あなたの母親だけではありません。幼稚園の時、鉄棒の逆上がりができない大原忍くんを馬鹿にしたことがありますね。彼は今だにあなたに馬鹿にされた夢を見てます。小学校でも特別学級の佐藤弥生さんのロッカーにバッタの死骸を入れて友達とからかっていましたよね。大人になってからもあなたは駐輪場に置いてあった自転車を倒しても気に留めなかった。わざとじゃないかもしれません。でもあなたは見て見ぬふりをした。誰かが戻してくれるだろうと。まだ続けますか? 」と整体師は言った。

「 なぜ、なぜあなたがそんな事を知っているんですか? 」

「 二十肩になる人のことは、全部知っています 」と整体師は笑った。整体師が笑った顔をはじめてみた。