素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 aim 125 ー小久保

「 あなたに、ありがとうが言いたくて来たんです。図書館の館長の助手が言ったんです。《 伝えたい気持ちがある時は、生きている間に伝えるべき 》って 」

「 佐々木くん? 」

「 そうです。15歳の子どもに教えられるなんて笑えますよね 」と小久保は言った。

「 今度、俺があなたに会う時は、俺が世界チャンピオンになった時です。また、来ますね 」と小久保は言った。

ドアの反対側で笑った気配がする。

そんな気がしただけかもしれない。

しばらく返事を待って、小久保は踵を返し来た道を歩き出した。