小説 aim 90 ー佐々木
「 灘丘さんが直接、ここに来てベルトを寄付してくれたんです 」
「 灘丘さんは、俺の憧れだったんだ 」と小久保は言う。
佐々木は、小久保が灘丘と一緒の施設で育った事を知っている。
「 俺は、タクシーに乗る前は、プロレスをやっていた 」
佐々木は、勿論、それも知っている。
小久保と話した瞬間に、今までどうやて生きていたか佐々木には解る。
「 そう言えば、佐々木くん。俺って名前教えたっけ? 」
「 あぁ、小久保さんって『 小久保 』って感じがするから。僕だって『 佐々木 』って感じしませんか? 」