小説 aim 83 ー佐々木
15歳の佐々木には、人の目に見えないものが見れる。
人には、聴こえない言葉が聴こえる。
死んでしまった人の伝えたかった言葉や、想いを届けることができる。
彼らは《 心眼師 》と呼ばれていて、殆どの人がその存在を知らない。
佐々木は、その力をなるべく人に気付かれない様に過ごしてきたが、人々は彼を遠ざけ、不気味がった。
佐々木は、いつもひとりぼっちだった。
「 その力を恥じる事はない 」と少年の父親は言った。
「 私たちは、そういう一族なの 」と少年の母親は言った。