小説 aim 73 ー常盤
「 悪くないでしょ? 」とタクシーの運転手は言った。
「 そうですね。ジャズの事は詳しくないけど何か落ちつきます 」と常盤は言った。
「 それにこのタクシーは、真空管アンプを積んでるんですよ。特別な人の為に、特別に造られたタクシーです 」
タクシー運転手の言ってる意味が理解出来ないままケーキ屋に着く。
「 ねぇお客さん。正しいか、間違ってるかなんて、1番最後にしか分からないんですよ。それまでは信じてあげるしかないんです 」
「 誰をですか? 」
「 自分を 」とタクシーの運転手は言った。