小説 aim 72 ー常盤
「 えぇ、世界中が寄ってたかって自分を嵌めようと企んでるんじゃないかって想うくらい、おかしな事が続いてるんですよ。まさか、これがクリスマスプレゼントじゃないよな 」と常盤は独り言の様な愚痴をこぼす。
「 お客さん、この曲でも聴いて落ち着いて下さいよ 」
タクシーの運転手は、そう言うと音楽を流した。甘ったるい男性の歌が流れる。
常盤は詳しくは分からないが、これはジャズだろうか。
乗った時は、気づかなかったが車内は、普通のタクシーと違う作りになっている。
「 チェットベイカーって言うですよ。このジャズ 」