小説 aim 48 ー小久保
《 お願いします 》と女性はノートに書いて小久保に見せた。
発車してから10分も経たずに女性は眠ってしまった。
言葉が話せない生活は、どんな感じなんだろうか?と小久保には想像がつかない。
そう考えると、俺は恵まれているかも知れない。
目的地に着いた時は、夜の9時を回っていた。
ライトアップされた大きな建物があり、駐車場は停めるスペースもない程、車が停まっている。
《 ありがとう 》と書かれたノートを女性が小久保に差し出す。
その時に触れた女性の手が異常に冷たかった。