小説 aim 35 ー長尾
長尾は製薬会社の課長を務めている。
僕は、長尾に言う。
「 明日から、あなたは製薬会社の課長を演じてもらいます 」
長尾は、僕に言う。
「 俺が課長なんか務まりますかね? 」
「 務まるか、務まらないかの問題じゃないんです。あなたは、あなた達は、もう後戻りが出来ないんです。あなたが降りた時、他の2人が危険に晒されます。そうなった時、僕達はもう助ける事は出来ません 」
長尾は頷く。
長尾は課長になって気付いた事がある。
部下の殆どが人によって態度を変えている。
上司や私やお得意様には、ヘコヘコして機嫌を取り、下請けや部外者には、偉そうな態度を取っている。
長尾は想う。
こんな奴等がいるから、殺したい奴や、殺されてしまう奴がいるんだろうなと。