素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 aim 33 ー常盤

構わず男は続ける。

「 アルパチーノは、ゲイの恋人の手術費用の為に、銀行強盗するだよ。哀しい話だと思わないか?誰かを守る為に、誰かを傷つける。結局、警察に取り囲まれるんだ。ラストは想像できる? 」

「 捕まるか、射殺されるかかな 」と常盤は言った。

「 物語には、入口と出口がある。出口では真実が寄り添ってる。アルパチーノはラストで真実を観たんだよ。結果がどうであれ。この封筒は、届け主にとって真実が書かれている。あんたが届けてくれなければ、届け主は知らないまま死んでしまうんだ 」