素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 番人 15

僕は西嶋に「 急で申し訳ないですが自宅に伺っても宜しいでしょうか? 」と電話をした。

西嶋は長い沈黙の後「 構いません。気をつけていらして下さい 」と僕に告げた。

西嶋の家に向かっている間、僕は様々な可能性について考えていた。

雨の降る気配は全くしなかった。

天気予報さえ気にしなければ、今頃は天草で楽しんでいただろう。

いや、違うな。能面を付けた男は天草にも僕を探しにきていただろう。

そして同じ台詞を僕に言っただろう。

バックミラーに映った車さえ、僕を尾けているんじゃないかと考えてしまう。