素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 番人 9

僕は休みの日になる度、熊本に出かける様になっていた。

信じてもらえないかもしれないが、熊本城を季節毎に訪れた。

春には春の熊本城があり、夏には夏の熊本城があり、秋には秋の熊本城があった。

やはり、冬には冬の熊本城があった。

歴史を越えて存在する建物の呼吸を感じることができた。

熊本の旅館はどこも素敵だった。

その中でも西嶋が紹介してくれた阿蘇にある『 みな和 』が僕はお気に入りだった。

全室離れで客室に露天風呂が付いていた。

敷地内の鯉に餌をあげたり、部屋で心置きなく読書を楽しんだ。

僕は地元の米焼酎「 しろ 」のハイボールを好みよく呑んだ。

ここで食べる馬刺しが1番美味しかった。

旅館の敷地内に食事処があり個室になっている。

個室の外には立派な能舞台がありプロジェクターから映像を楽しむことができた。

音声は個室の天井スピーカーから流れていた。