2015-05-31 小説 番人 5 「 点描画は外見を描くより、相手の内面を描く方が大切だと想います。相手が何に心が震えるかを、何を大切にして今まで生きていたかを。それをこちら側が受け止める事ができれば、その作品はとても素敵なものになります 」と西嶋は微笑んだ。 西嶋の家に通う様になってから7ケ月経つが、彼が笑った顔を初めて僕はみた。 そろそろ始めましょう、と西嶋は言い奥の部屋に入っていく。 点描画の仕上がり具合は途中で確認ができず、あくまで完成時に観れる事になっていた。