素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と57

「 よく笑っていられるわね。あなたは死にかけたのよ 」と彼女は言った。

「 まぁ、こうして生きてるし、自分で選んできた事だしね 」と僕は言った。

僕が死んだら哀しんでくれる?と自信はないけど彼女に聞く。

彼女は空を見上げる。

何かを待ってるかの様だ。空からUFOが来て彼女をさらってしまうかも知れない。

そうなったら、流石に奪い返す事は無理かな、と僕は思った。そうね、と彼女は言った。

少しぐらいは、哀しむわ。

「 そんな事より、どうやって元の世界に戻るのかしら? 」と彼女は言った。

そうだった。戻る術を僕は知らなかった。

ここは何処なんだろう?

僕たちこそ、何処へ向かえばいいんだろう?僕たちは、手を繋いだまま立ち尽くしていた。