素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 49

「 オレの演奏を聴けば、心を元に戻ると思ってるんだろ? 」とマイルス・デイヴィスは言う。

「 そう、ソニー・ロリンズから聴きました。僕自身も強くそう思います 」と僕は言う。

彼は目を閉じて何か考えてる。その間にも、僕の心は死にかけていた。砂時計がサラサラと流れて行く様に、僕の記憶が僕から離れていった。

僕は、あの男から彼女を救い出せるのだろうか?目の前にいる彼の名前さえ忘れてしまいそうなのに。