素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 33

「 なんだか運転手さんが、ジャズミュージシャンみたいな話し方ですね 」と僕は運転手に尋ねた。

今は休んでるんだと運転手は言う。

「 今はやりにくい時期なんだ。そういう時は流れるが収まるまで休んだ方が良い。あんたが会ったソニー・ロリンズもしばらく休んでた時がある 」

「 それは、ジャズが認められていないと言う意味ですか? 」

運転手はそれには答えず、着いたよと言った。

目の前にはヴィレッジバンガードがあった。

「 あんたとは、またいつか会いそう気がするよ 」運転手は後ろを振り向かずそう言った。