素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 32

「 日本人は、我々のジャズに敬意を示してくれてる 」と運転手は言った。

「 恐らく、ジャズに触れる事で、我々の文化や歴史を共有できると想ってるのだろう。ライブ中は、いささか礼儀正し過ぎるが、日本人は好きだよ 」

チェット・ベイカーが『 THAT OLD FEELIG 』を歌っていた。

車内から流れるニューヨークの景色を一瞬でカラフルに変えてしまう。

空の色はキチンと空の色をしていた。

野良犬や自転車やゴミ箱が、チェット・ベイカーと一緒に歌ってる様にさえ思えた。