素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 6

私は二杯目のコーヒーを飲みながら、キース・ジャレットのレコード『 Dark Intervals 』をターテーブルにセットして、ソファーに横になる。

3曲目「 Americana 」が特に気に入っている。

目を閉じて聴いてると、果てしなく広がる雪原の大地が浮かぶ。

そこには、ピアノが一台。

キース・ジャレットが「 Americana 」を静かに弾いてる。

私は、彼の真正面に足を運び、聴き入る。

最高の特等席で。

レコードと同じ7分10秒で、演奏が終わる。

私は拍手をして、「 凄い! 」「 素晴らしい! 」

そんな言葉をかける。

彼は少しムッとして「 僕に拍手はいらないよ、僕は自分自身にきっちり拍手を贈れる。 」

やれやれ、と想う。

彼とは2000回生まれ変わっても、気が合いそうにない。