素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 あなたと夜と音楽と 1


暗い部屋で考える。

なぜ僕らは繋がらなければならないのか。

出会った事もない人達と、これから出会う筈もない人達と。

世界は変わろうとしてるのかも知れない。

いや、もう変わってしまったのだろう。

冷蔵庫の唸り声が誰かの返事の様に聞こえた。

ある人は芸能人にツイートの誤字を指摘していた。ある人は政治の在り方を、ある人は猫の写真をツイートしていた。

誰かに観て欲しい、聴いて欲しい、ツイッターを通じて顔のない人々は伝え続けていた。

どうやら彼は「 人と人の繋がりの在り方 」で酷く悩んでるみたいだ。やれやれ。もっとシンプルに考えるべきだと、教えてあげたくなる。

テレビのニュース速報で、あるいは電車の電子掲示板で教えてあげたくなる。そもそも人は、誰かと確かに繋がってるんだよと。

そんな性格が災いして( 彼はA型だ )ある事件に巻き込まれる事になる。

でも、それは仕方がない事だ。答えは自分で見つけるしかない。それが良い結果でないとしてもだ。

誰かが、彼の人生を代わりに生きて行く事なんて出来ないのだから。