小説 夜のニワトリ 11
博士は、2020年に、人間とロボットが共存していく道か、対立し合う道かが決まると言っていた。対立し合う道を選ぶのがアップルだと言うのか。
「 直接、僕が確かめます 」
「 危険過ぎるわ 」
「 大丈夫。最後に正義は勝つ様に出来ている 」と僕は言う。
「 とんだ茶番だな 」
部屋の中央にある螺旋階段を降りながら、シルクは言う。
「 お前らの言う正義ってなんなんだよ。今、お前らがしている事や、信じている事が正義だって言い切れるのかよ。どうせ多数決で決められた正義だろうが?違うか? 」とシルクは言う。
「 あなたが噂のシルクね 」と博士の娘は笑いながら言う。
「 お嬢ちゃん、78の罠を潜り抜けて此処まで来た事は、褒めてやるよ。でもな、大人を舐めると痛い目に合うぜ 」とシルクは言う。
ふん、下らないわ。と博士の娘は言う。
「 強がっていられるのも今の内だけだ 」とシルクは光線銃を人差し指で、トントンさせてニヤニヤしている。
相変わらず、ニヤニヤばかりしているな、と僕は思う。
しかも最新型の光線銃だ。
撃たれた者は、悲鳴さえ出せずに死んでしまう。後は肉の焦げた匂いだけが残る。