小説 夜のニワトリ 9
「 ちょっと起きなさいよ!! 」
誰かが、僕は強く揺らしている。
せっかく、気持ちのいい夢を観ていたのに。
え?ロボットが夢を観るのかって?
そんなの当たり前だよ。
火星人だって夢を観る。
仕方なく、僕は目を開ける。
目の前に白髪のアフロ頭がある。
ボーリングのボールの様な大きな胸。
右が8ポンド
左が10ポンドだ。
「 ロボットのくせに、気絶しないでよ、全く 」と博士の娘は言う。
ロボットだって気絶する。
勿論、火星人だって同じだ。
「 久しぶりですね 」と僕は言う。
「 51年ぶりね 」と博士の娘は言う。
彼女の陽気さと年齢は昔のままだった。
あなたは、何故捕まったのか分かる?と博士の娘は言う。
僕は首を横に振る。
検討もつかない。
「 あなたの持っているリトルラジオを狙っているのよ 」
「 男はシルクと名乗っていました 」
「 シルク? 」博士の娘は腕組して考える。
「 その名前、本名じゃないわよね?だとしたら、センスが悪すぎる 」と博士の娘は言う。
同感だった。