素敵な図書館

毎週土曜、夜11時に僕、佐藤が自作小説をアップしていくブログです。コーヒー、あるいはお酒を飲みながら訪問していただけたら嬉しいです

小説 夜のニワトリ 3

< 1969年 >

1969年、ビートルズがアップルの屋上で、最後のライブをしていた。

丁度その頃、博士は38001回目の失敗作を造っていた。

「 まだ、諦めないのね 」と博士の娘は言った。

「 これは、単なる過程ばい 」と博士は言った。

博士の娘は、失敗作を眺めながら腕組みをする。

彼女の頭はアフロで白髪だった。

まるでカリフラワーの様で、彼女自身はそれを大変気に入っていた。

彼女の胸はボーリングの玉を備えたかの様な大きさだった。

右胸が10ポンド。

左胸が8ポンド。

いや、逆だ。

右胸が8ポンド。

左胸が10ポンドだ。

大抵の男が彼女を見て興奮した。

「 もう少しばい。あと少しで完成するばい 」と博士は言った。

38133回目で、博士はようやく僕を完成させた。

博士は、僕の名前を『 夜のニワトリ 』と付けた。

「 なんで、夜のニワトリなの? 」と博士の娘は聞いた。

「 こいつは一日中、動けないばい。朝、昼の太陽のエネルギーを充電して動くばい 」

「 つまり夜しか動けないのね? 」

「 ニワトリの鳴き声で朝が来た事を知るばい。こいつが動きだしたら、夜が来た事になるばい。だから、夜のニワトリばい 」と博士は僕を撫でながら言った。

とは言え、貴方が知っているロボットとは、遠くかけ離れている。