小説 夜のニワトリ 2
満員電車や上司のつまらないジョークからも解放された。
殆どの人が余った時間で、自分の好きな事をやり始めた。
個人で始める会社が爆発的に増えた。
勿論、ロボットをスタッフにした。
正確で人間よりずっとタフだった。
ここまで書いた文章を読み返してみる。
上手くはないが、悪くないと思う。
物語には主役が必要だ。
脇役だらけの物語を誰が読むのだろう?
この物語の主役は、僕だ。
僕は人々がロボットと共存するカードを選ぶより、ずっと昔、1969年に博士に造られたロボットだ。
1969年にロボット?馬鹿げている、と貴方は思うかも知れない。
よく考えて欲しい。
1969年には、ビートルズがいた。
ボブ•ディランもいたし、マイルス•デイビスだっていた。
彼らは宇宙人の様だった。
そんな時代に、ロボットがいても可笑しくない。
僕等は、いつだって想像するだけでは足りない。
僕等は、いつだって体験するだけでは足りない。
だから生きてるんだろう?
そう思わないかい?